第5回『耕人塾』

【日 時】 令和4年10月22日(土)18:30~20:30
【場 所】 矢本東市民センター
【テーマ】 世界に誇れる石巻地域にしよう~発信!未来へ~
【使用したテキスト】『耕人』第11-6号 (コンセプト「主体・楽しさ・創造・発見」について)
【当日の流れ】
①塾長挨拶   ② アイスブレイク  ③ 「あいさつ・清掃・ゴミ拾い・+1活動」について
④講話「身近な自然の生き物のつながり」 講師:石巻専修大学理工学部准教授 辻 大和 様
⑤質疑,感想記入,意見交流

塾長挨拶

(木村民男 塾長) 挨拶:関根悠惟さん

『耕人』第11―6号をテキストに,耕人塾の指導指針である「文・武・楽 三道」について話されました。特に,「武」に当たる武道と,「楽」に含まれるスポーツの違いやそれぞれのよさについて,例を挙げながら詳しく取り上げました。相手をおもんぱかる武道的な考え方も,勝敗で喜びや悔しさを味わうスポーツ的な考えかたも,どちらも大切なことであると考えを述べたうえで,「皆さんはどう考えますか?」と塾生に投げかけました。

アイスブレイク

 (平塚真一郎アドバイザー)

今回は「会話を開く鍵」を行いました。

  • 4枚のカードのうち2枚に好きな生き物を,残りの2枚に嫌いな生き物を書いて手持ちにする。
  • ペアを作り挨拶をしたのち,先行・後行を決め相手とカードを交換する。
  • 先行の人は,「なぜ○〇が好きなのですか?」など,相手から受け取ったカードに関して質問をする。時間は1分。
  • 1分経ったら立場を交代。後行の人が質問し,先行の人が答える。1分経ったら挨拶をして1セット終了。

相手を変えて3セット行いましたが,相手に応じて受け答えが変わるので面白かったです。塾生の表情も徐々に柔らかくなっていきました。

「あいさつ・清掃・ゴミ拾い・+1活動」について

(遠藤知子教学副委員長)

近くに座っている人たちで,それぞれの1か月の「あいさつ・清掃・ゴミ拾い+1活動」について取組状況を確認し合いました。個人の振り返り用紙を見ると,成長や課題が見えてきます。12月には,個人の取組について発表する場があるので,それも視野に入れながら取り組んでいってほしいです。

講話「身近な自然の生き物のつながり」

講師:石巻専修大学理工学部准教授 辻 大和 様

辻先生は,サルを専門に調査しながら,生き物のつながりについて研究を進められておられる生態学(エコロジー)の先生です。

今回は,多くの写真や映像をまじえながら,塾生にも分かりやすく大きく4つの項立てで話されました。

「1.サルってどんな動物?」では,サルは熱帯地方に住んでいることが多く,ニホンザルは,人以外で最も寒い地域に住む霊長類として珍しいそうです。主に30~50頭の群れで生活していますが,いわゆるボス猿という存在はいないと聞き,驚きました。力の強いサルはいるが群れをまとめるボスはいないのだそうです。サルは昔から親しまれてきた動物で,近年は医療実験にも利用されています。一方で,農作物被害等を与える動物としてシカ,イノシシと共に日本3大悪獣と言われ,合わせて年に2万頭も駆除されているとのことでした。

「2.サルと森林環境のつながり」「3.サルと他の生き物のつながり」では,辻先生が長年調査してきた得られた金華山のサルのデータなどを基にしながら,サルは季節ごとにどんな物を食べているのかや,木の実の種類や量は年によって異なること,結果的にサルが種子を運んでいたり他の動物に食料を分け与えたりしていることなどを教えていただきました。金華山のサルは海藻も食べること,10年間で2000ものサルの糞を集めて植物の種を探したことなど,記憶に残るお話をたくさん聞くことができました。

「4.『生き物のつながり』を科学することの意味」では,カニやアワビなど漁師にとって高級な物をたくさん食べるラッコを駆除したところ,ラッコがいなくなった海ではウニが増え,ウニの餌である昆布の数が減り,結果的に昆布に卵を産み付けたり昆布で身を隠したりしていた魚が激減したという話をされました。この話を,自然界には予想外のメカニズムが潜んでおり,正しく理解していないと生態系を壊すことにつながるという警鐘と捉え,知見を今後の開発や環境保全に役立てていくことが重要だと学ぶことができました。

塾生からは,「外来種の存在をどう思いますか?」「サルに必要な栄養は人間と同じですか?」「金華山のサルはいつどこから来たのですか?」といった質問が次々に出され,一つ一つに丁寧に答えていただきました。その後,各自で感想を記入し,小グループでの感想発表,グループで出た話題の全体共有を通して塾生はそれぞれ学びを深めることができました。

講評

(平塚アドバイザー)

新たな視点を得るよい機会であり,物事を考える際に見方を変えてみることも大切だということを学んだのではないかと話されるとともに,今日のそれぞれの気付きを大切にしてほしいという願い,今後の活動への期待について伝えられました。

次回予告と諸連絡

・次回11月19日(土)矢本西市民センター
・12月17日 閉塾式に際し+1活動の発表あり。準備(内容・方法)を各自考えておくこと

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