先日、ある雑誌に心臓外科医のパイオニア的存在と言われている榊原仟(さかきばらしげる1910―1979)氏の言葉が紹介されていました。それは、「医師は単に病気を治す職人ではない。患者さんの苦悩に寄り添い、その精神的な負担をできるだけ少なくすることを求められる。そのためには、医学の習得と同時に、人格を陶冶し、患者さんから信頼される人間的魅力のある医師になることが必要である」という言葉です。「医師」を「教師」に、「患者」を「子供」に置き換えてみました。これまで歩んできた自分の人生を振り返り、ここまで子供に寄り添ってきただろうかと反省させられました。
30代の頃、荒れていた生徒もT先生の言うことだけは聞くので不思議に思っていました。後で分かったのですが、子供たちの夜釣りに付き合いながら悩みを聞いたり、進路の相談に乗ったりしていたのです。信頼されるということはどういうことなのか考えています。