民塾長のちょっといい話71

先日テレビを見ていたら、東日本大震災後の新聞に写真入りで紹介されていた「水を運ぶ少年」を取り上げていました。瓦礫の中を大きなペットボトルを両手に下げ、歯を食いしばって歩いている姿が強く印象に残っています。その少年は松本魁翔(かいと)君という名前で、当時小学校4年だったそうです。家が全壊し、お世話になっている高台の親戚まで水を運んでいるときに写真に撮られたことをよく覚えていました。松本君は現在21歳になり、震災で困っているときに助けられた経験から、人を助ける仕事をしたいと理学療法士の資格をとるために専門学校で学んでいると爽やかな笑顔で答えていました。

新聞に載ったその少年の姿を表現したいと思い、震災対応の合間を縫って制作した「水を運ぶ少年」が石巻市美術展で石巻市芸術文化振興財団理事長賞をいただき、その作品を「百俵館」に寄贈させていただきました。あれから11年、歳月の過ぎ行く速さを感じています。

タイトルとURLをコピーしました