第6回『耕人塾』

【日 時】 令和4年11月19日(土)18:30~20:30
【場 所】 矢本西市民センター
【テーマ】 世界に誇れる石巻地域にしよう~発信!未来へ~
【使用したテキスト】『耕人』第11-7号 (コンセプト「主体・楽しさ・創造・発見」について)
【当日の流れ】
①塾長挨拶   ② アイスブレイク  ③ 「あいさつ・清掃・ゴミ拾い・+1活動」について
④講話「一歩を歩むこと」 講師:メンタル心理カウンセラー 若山 崇 様
⑤質疑,感想記入,意見交流  ⑥ 講評

塾長挨拶(木村民男 塾長) 挨拶:平塚冬真さん

『耕人』第11―7号をテキストに,福沢諭吉の「学問のすゝめ」の中にある「心事の棚卸」について触れました。そして,耕人塾の実践事項である「あいさつ・清掃・ゴミ拾い」について塾長自身の実践を振り返り,なぜその点数を付けたのかという理由を語られました。また,あいさつは自他尊重,謙譲の心を,清掃は感謝の心を,ゴミ拾いは奉仕の心を行動として表すものですが,「無理をせず,楽しく,さりげなく」続けるのが大切だと伝え,福沢諭吉が何を言いたいのか考えながら,皆さんもぜひ棚卸をしてみてくださいと話を締めくくられました。

アイスブレイク (武川紗織教学委員)

前回と同じ「会話を開く鍵」を行いました。今回のテーマは好きな食べ物です。質問に困ったときは「なぜ好きなのか?」「どのような〇〇が好きなのか?」と聞くと会話が広がりやすいとアドバイスを受けてスタートしました。

前回よりも話しやすいテーマだったことや一度経験したこともあってかスムーズかつ和やかな交流が行われ,塾生の表情に多くの笑顔が見られました。

「あいさつ・清掃・ゴミ拾い・+1活動」について

(小松隆教学委員長,遠藤知子教学副委員長)

まず,小松教学委員長より,次回の閉塾式では修了証を授与することになるが,その前にそれぞれが1年間耕人塾での活動を通して何を学び,自分自身どんなところが成長したと思うかを発表する場が設定されるということが伝えられました。

続いて,遠藤教学副委員長から発表の内容や方法等について具体的な説明がなされました。その後,グループごとに毎回行っている実践活動の振り返りの共有に加え,発表会の内容について意見交換をし最終回のイメージを膨らませました。

講話「一歩を歩むこと」

講師:メンタル心理カウンセラー 若山 崇 様

今回の講師である若山さんは,ある時期より目が不自由になりました。現在はメンタル心理カウンセラーとして働く傍ら,「特定非営利活動法人 一歩を楽しむ石巻」の代表理事として,目の不自由な方への理解を深める活動をされておられます。

パートナーである盲導犬のトラヴィスと共に登場した若山さんは,「目を閉じてください」と皆に言い,目が見えない状況下で聞こえる音,顔の上げ下げによる明るさの感じ方などを実感させながら,自分がどうやって情報を得ているかという話をされました。そして,静かなことが目の不自由な人にとっては不安なことだから,ぜひ声のリアクションがほしいと伝え本題に入りました。

まず,「目の不自由な人が外を歩くために使うものにはどんなものがあるか?」と質問され,塾生から出てきた,白杖,点字ブロック,盲導犬などの回答について順に紹介していきました。

白杖は折り畳み式になっており,物を探したりするのに特に役立つそうです。ただ,探しながら歩くことになるので自分のペースでは歩けない。若山さんが盲導犬をパートナーとして歩くようになったのは,自分のペースで歩きたかったからなのだそうです。実際に盲導犬と外を歩くと,目は見えないけれど風や光,音,におい,足裏の感覚などで自然を感じることができ,毎回新たな発見があり楽しいのだそうです。ただ,盲導犬はどこにでも連れて行ってくれるものではなく,ユーザーは頭の中に地図を描きマッピングしながら歩く,盲導犬は曲がり角や段差を教えたり障害物をよけて歩いたりするという,互いの協力が必要になるとのことでした。ちなみに石巻市近辺の盲導犬ユーザーは石巻市1人,東松島市2人だそうで,石巻市で盲導犬と歩いている人を見かけたら,それはほぼ若山さんなのだそうです。

目の不自由な方にとって最も頼りになるのはやはりサポートしてくれる人間で,若山さんの奥様は専門の資格を取り,サポート同行も行えるということでした。その奥様にガイドとなっていただき,塾長が目をつぶったまま会場内を一周するという体験を行いました。歩いている場所の状況を説明したり,座る椅子などは実際に手で触らせて確認させたりと,相手の不安を軽減するようなガイド役のさりげない心配りが素晴らしいと感じました。その後,塾生の代表もガイド役として若山さんを案内するという貴重な体験機会がありました。実は,盲導犬は色の認識ができないため,信号機での横断の判断は車のエンジン音や周囲の人の動きを察して行っているのだそうです。目の不自由な方にとって誘導はとても有難いサポートになるので,もしそのような方を見かけた場合には声をかけてほしいとのことでした。

結びに,団体名にもなっている「一歩を楽しむ」こといついて,前に進むだけが一歩ではなく,一歩後ろに下がって冷静に考えること,視点を変えて斜め前に一歩進んでみること,左右に一歩進んで周りの考えを知ることも大切ではないかとのメッセージを伝えられました。そして,視覚障害は不憫ではあるが不幸ではない。してもらう福祉ではなく,していこうという福祉を広めていきたいと語られました。

講評(若生アドバイザー)

若山さんの講話に関して,関わりの大切さや想像力を働かせて思いやることの大切を改めて考える機会となったこと,一歩進む方向は決して前だけでなくともよいという発想の転換も必要な時があるということを塾生と確認しました。そして,次回閉塾式が塾生の皆さんにとって,先に進むためのきっかけとなることを期待するとエールが送られました。

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